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発掘された日本列島2024「弥生時代は壺の時代」再埋葬で使われた土器たち

弥生時代といえば、稲作の伝来?、と思い浮かべる人が多いはず。

自分自身、弥生時代についてあまり本気に??本とか読んでこなかったけど、発掘された日本列島2024を見学していたら、ちょっと弥生時代にも興味がわくような、そんな展示があった。

 

 

縄文時代から弥生時代にかけての墓制を見る

縄文時代のムラ跡に営まれた再葬墓群「墓料遺跡」

墓料遺跡(ぼりょういせき)

墓料遺跡は、福島県会津若松市にある、縄文時代晩期末から弥生時代中期前半にかけての再葬墓遺跡。

再葬墓とは、死者をいったいん土葬するなどして骨化させた後、その骨を再び土器に納めて埋葬する墓制である。

壺が多いなか右下に筒型土器

いろいろな壺

再葬墓に埋設された土器は壺形が大半で、深鉢形や鉢型なども見られる。

大きい壺から小さい壺

壺の中に納められていた

大型壺の内部には、多数の土器片が入れられていた。

破片は、一部しか接合されず、当時の人々が遠隔地の土器の破片を意図的に入れていたと思われる。

環状に配置された壺形土器群「宿尻遺跡」

宿尻遺跡

茨城県常陸大宮市にある遺跡「宿尻遺跡」は、弥生時代中期の再葬墓遺跡。

上の写真にもあるように、環状に配置された壺形土器群が見つかった。

環状に並ぶ壺形土器の中央部からは、破砕された管玉の他、ヒスイで作られた小玉や不整形の玉が出土。

管玉の破片は覆土中に散らばっていたことから、意図的に砕いたあと、土坑を埋める過程で撒かれたと考えられます。

宿尻遺跡の壺形土器、中央にあるのは管玉

出土した壺形土器は、口縁部から底部まで残っている個体が多いのだけど、口頭部を欠いた状態で埋葬されていたものもあります。

また、炭化物が付着した土器が多いという特徴もあります。

このことから土器は埋葬のために製作されたものではなく、日常生活に使用されていたものが転用されていたと考えられます。

壺形土器

土器の頸部に文様がほどこされている土器も多い

宿尻遺跡は、各地に所在する再葬墓を考える上で興味深い例であり、東日本の弥生時代の墓制を解明する上でも重要な遺跡である。

 

弥生時代って、稲作だけじゃないのですよ。

 

※参考資料