ねことメガネとアネモネと

古代史好きアウトドア好きな女が書きたいことを書くブログです

北海道釧路市にある『北斗遺跡展示館』で受付のおじさんのお庭から出た黒曜石を触らせてもらう

北海道旅行1日目。

北海道に住む友達の車で、釧路市にある『北斗遺跡展示館』に連れていってもらった。

北斗遺跡は、旧石器時代から縄文時代、続縄文時代、擦文時代へと続く、重複遺跡。

釧路湿原を望む、高台にある遺跡である。

www.city.kushiro.lg.jp

 

友達から「釧路で1泊する」と聞いていたから、釧路あたりにある遺跡はないかとGoogleで探していたら、北斗遺跡が出てきたのだった。

Googleに出てきた遺跡だからという理由で行ってみたけど、いま思えば、ここ『北斗遺跡展示館』に行って良かったと心から思える。

 

釧路といえば、誰でも1度は行く場所「釧路湿原」でしょう。

私も、一昨年か、友達の車で、釧路湿原に連れて行ってもらった。

あのときは夏の蒸し暑い日、とある展望台から、釧路湿原を眺めていたとき、北海道はやっぱりデッカイドウだなあ、なんて思いながら、展望台から見える景色を見ていたけど、隣にいた友達が「あの男の子の服装、こんな暑い日なのに、革のジャケット着てる」と、彼女とデート中の男の子の服装が、季節外れだと、デートで着ていく服がそれしかなかったんだと、ひたすらふたりで話していた思い出もある。

 

北斗遺跡展示館に到着したとき、私たちが乗ってきた車と、たぶん、施設の人が乗ってきたと思われるミニバン、2台だけが駐車場に停まっていた。

展示館に向かう右手側から、復元された竪穴住居があるんだけど、展示館から竪穴住居まで約1キロくらいで、しかも、秋になっている北海道、ヒグマが冬眠のために、ウロウロ活動しているというから、竪穴住居へ続く道の入り口には、ヒグマ注意の看板と目撃情報が記載されたパネルが置いてあった。

 

展示館の中に入ると、おじさんがひとり。

「こんにちわ~」と言いながら、展示館に入ると、復元された大きな竪穴住居と、北斗遺跡から出土された石器や土器などが展示されていた。

北斗遺跡展示館の中

左側の展示品を見学しようとしたら、入り口からおじさんが出てきて「擦文時代って知ってる?」と、いきなり質問を投げかけられた。

私は「はい、知っています(事実知っていたし)」と答えると、おじさんは「おお~!!擦文時代を知っているなんて」みたいに言い始め、「ここの展示品の説明聞きたい?」というので、「ぜひお願いします!(聞きたかったし)」と私は答え、おじさんから北斗遺跡についてレクチャーが始まった。

 

おじさんの話は面白く、とても丁寧に、ひとつひとつ説明してくれた。

特に、石器が展示してあるところに来たとき、おじさんのフィールドワーク手帳みたいなものを見せてくれて、「この石器は、数年前だっけ?アイスマン(という名前だったか忘れた)が発見されたんだけど、その人が持っていた石器と、とても良く似ているんだよね」と話始めた。

うんうんと聞いていると、「もしかしたら、この石器を持った人は、アイスマンがいた場所から釧路まで来て、うんたらかんたら」と、展示されている石器について、おじさんは熱く語っていた。

熱く語っていたのは、真ん中の磨製石器

おじさんが熱く語る姿を見ていると、その気持ち私もわからなくもない。

もしかしたら、おじさんは、定年で退職したあと、大好きな考古学?に接したいという理由で、北斗遺跡展示館の受付をしているのかもしれないなと勝手に思った。

 

私たちが熱心におじさんの話を聞いていると、「うちの庭から出た黒曜石を見せてあげるよ」と言って、受付のある部屋から、手のひらくらいもある黒曜石を持ってきてくれた。

私は、黒曜石なんて、博物館でしか見たことがなかったから、本物を目の前で見れたときの感動はすごかった。

さらにおじさんは、「黒曜石持ってみなよ」と言って、私の手のひらに黒曜石をのせてくれた。

手のひら以上あるかないかの黒曜石は、ガラスのようにピカピカで透明、とてもツルツルしていてキレイだった。

おじさんのお庭から出た黒曜石

たぶん、たぶんだけど、十勝岳あたりの、そこらへんの黒曜石ではないかと私は思った(おじさん、そこまで説明してくれなかった)

十勝岳あたりの黒曜石は一級品だと、どこかの本で読んだことがあるようなないような。

「こんなキレイな黒曜石が家のお庭から出るなんて・・・」と、ここでも北海道の凄さを実感していたら、おじさんが「この小さいカケラあげるよ」と言って、段ボールから、黒曜石の小さなカケラを私の手のひらにのせてくれた。

「ほっ!!!ホントですか!!??」とテンションマックスで言う私におじさんは「家の庭にある黒曜石だからいいよ、遺跡から出た出土品じゃないしね、あげるよ」と言った。

 

めちゃくちゃ嬉しかった!!(*^^*)/

 

その黒曜石はいま、私のパソコンの隣に飾ってある。

 

北海道の博物館などに行くと、必ず出会いがある、気がする。

2023年夏の北海道旅行も、1日目から、とても素晴らしい出会いがあった。

展示館を後にして、釧路湿原の展望台に行ったとき、釧路湿原を眺めながら、さきほど見学してきた北斗遺跡展示館の場所を探していた。

私は、おじさんはまだ展示館にひとりでいるのかな、と思いながら湿原を眺めていた。

もちろん土器の展示もあるよ

時代によって土器の形が違う