8月の北海道旅行のとき、だて歴史文化ミュージアムで、文化庁が主催する「発掘された日本列島2022」展が開催されていたので、友達に頼み行ってきた。
そこには、長野県諏訪郡富士見町にある「井戸尻考古館」に展示されている土器、数十点が、だて歴史文化ミュージアムに展示されていた。
井戸尻遺跡群は、八ヶ岳をのぞむ遺跡群で、九兵衛尾根遺跡から、井戸尻遺跡あたりまでのことをいう。
井戸尻考古館に行く前だったが、この機会に、どうしても井戸尻遺跡群の土器が見たくて見たくて、世界遺産巡りの合間を縫って、だて歴史文化ミュージアムに行った。
我がまちが誇る遺跡『長野県富士見町・井戸尻遺跡群』
この形、というか、このデザインの土器、すごくないですか?
そりゃあ、岡本太郎も、爆発しますよ(たぶん言うの2回目)
全く実用的じゃない装飾がついている井戸尻式土器。
というか、だいたい縄文時代中期ごろの長野県や山梨県あたりから出土する土器は、実用的じゃないと思われる装飾がたくさんついた土器が多い。
そこが、縄文時代の人って、何を思って、こういう装飾をしたんだろうなあと、想像を搔き立てられるところなのだと思う。
こちら「四方神面文深鉢」は、煮炊きに用いる深鉢の土器だけど、把手が大きく、非実用的なフォルムである。
シュッと引き締まった胴体が、この土器を、魅力的にしている要因かもしれない。
私が縄文時代にハマった要因のひとつとして、井戸尻遺跡群の土器に魅了されたからと、行っても過言ではない、と強く思う。
この展覧会に来て、井戸尻遺跡群の土器を見て歩いていたとき、本当に縄文時代の人の感性って、凄すぎるなあと、感心するばかりだった。
井戸尻遺跡群の土器は、装飾もすごいことながら、土器に何かの生物のような文様が描かれているものが多い。
生物文深鉢土器は、上部に隙間なく文様で埋めつくされているが、下には、謎の生物が一対、表現されている(九兵衛尾根遺跡)
井戸尻考古館に行ったときも、どこがどう生物ぽいんだろうと思いながら、頑張って見ていたけど、縄文時代の人の気持ちになってくれば、だんだんと何かが見えてくる、ってもん。
もうちょっと土器を勉強してくれば、もっと良い撮り方があったのに!と悔やまれるふたつ。
重弧文深鉢は、水面に波紋が広がるような口縁の文様がきれいな土器。
石かなにかを、水面に落としたときのような感じに見えなくもない。
蛇文蒸器形深鉢は、丸い輪が見えるとこが目、その上が口で、下にいくほど、蛇のような胴体のように見える(三つ編みのように見える)
いい写真がない、ホント、自分下手くそ。
いちばん左側にあるのは「水煙文深鉢」である。
釈迦堂遺跡博物館にもあった、水煙文土器と、同じような、似たデザインの土器。
小さい穴がポチポチとついた土器が見える。
「蛙文有孔鍔付土器(かえるもんゆうこうつばつきどき)」という土器で、3本のゆびのような手みたいなものが見える。
酒造具と目されている有孔鍔付土器には、蛇やカエルなどが好んで造形されるようである。
そして最後に、発掘された日本列島2022の図録にも、ドーンと大きくど真ん中にいる土器がこちら「双眼五重深鉢」である。
こんな土器、見たことない!というくらい、すごいデザインの土器。
デザインもさることながら、こういう形の土器を作りあげちゃうところが、またすごい。
私は、井戸尻遺跡群の土器がもっと見たいと思い、上高地に行った帰りに、井戸尻考古館に行き、腰が痛い中、土器を見学してきたのだった。
井戸尻考古館にも、すばらしい土器たちを、たっくさん見学することができる。
「発掘された日本列島2022」は、現在(10月13日)、石巻博物館で、開催されている。