ねことメガネとアネモネと

古代史好きアウトドア好きな女が書きたいことを書くブログです

特別史跡「高松塚古墳」の飛鳥美人

奈良県明日香村にある有名な古墳のひとつ「高松塚古墳」がある。

 

高松塚古墳が、有名な理由のひとつに、石室の壁画があげられると思う。

高松塚古墳の石室の壁画には「飛鳥美人」と言われる女子群像、男子群像、石室の天井には、星宿図、玄武、白虎、青龍、が描かれていて、石室の中には、木棺が置かれていた。

 

奈良県明日香村には、飛鳥時代100年にわたって都があった場所である。

飛鳥宮跡(飛鳥岡本宮・板蓋宮(いたぶきのみや)・後岡本宮・浄御原宮(きよみはらのみや))や、飛鳥寺、川原寺、橘寺などがある地域は、当時の飛鳥の中心だった。

 

いまは、高松塚古墳について、少し知識がついてきたから、高松塚古墳ってどういうのかわかるんだけど、その前は、高松塚古墳という名前は知っているけど、じゃあ実際どういう古墳なの?という、あやふやな知識というか、想像でしかなった。

つい先日までの私の中にあった高松塚古墳とは・・・

まず、飛鳥美人の影響がもろに強すぎて、高松塚古墳の被葬者は勝手に女性だと思っていた。

 

私の勝手な想像と思い込みですよ。

 

飛鳥資料館のパネルを見ているとき、高松塚古墳の被葬者は「男性」と書いてあることを知り、女性ではなかったのか・・・というか、飛鳥美人の印象が強くて、そっちまで女性という言葉で、片付けられていたわい、と深く反省した。

高松塚古墳とキトラ古墳の被葬者は「男性」である(一番下に記載)

この写真にも書いてあるように「大陸風の壁画」がある古墳は、高松塚古墳とキトラ古墳のみである。

キトラ古墳には、天文図、白虎や玄武、朱雀と青龍、十二支午像、十二支虎像が描かれている。

高松塚古墳とキトラ古墳の説明

あと、私の勝手な思い込みというのは、石室に絵が描かれているのが有名な高松塚古墳だけど、その石室に直に、人が埋葬されていたと、勝手に思っていた。

石の上に、そのまま人が横たわっていた、みたいな。

いま冷静に考えてみると、そんなことあるわけナッシングで、絵が描かれている石室の中に、木棺が安置されていた。

高松塚古墳の木棺の説明(立派な木棺です)

高松塚古墳は、盗掘にあっているようで、南壁石という閉塞石の役割をもつものの上あたりに、盗掘抗という穴が開けられていた。

壁画も、木棺をずらしたかなんかした跡が残り、「日像と月象」にあった金箔と銀箔は、盗掘により剝落していた。

石室の中に安置されている木棺

ちなみに、高松塚古墳の名前の由来は、古墳の頂上には、松の木が生えていたからだそうだ。

発掘調査前の高松塚古墳の写真を見ると、松どころか、竹ボウボウの小さな小山のように見える。

 

高松塚古墳の調査は、高松塚古墳の裾に、地元の人が生姜の貯蔵穴を掘ったところから、高松塚古墳の調査が始まる。

面白いもんだよなあ、北海道の国宝「中空土偶」は、おばさんがジャガイモ畑で見つけるし、井戸尻考古館でも話があったけど、掘ると土器の破片やら何かしら出てくるという。

あんま関係ないか、まあでも、ふとしたことで見つかるのって面白いなと思った。

高松塚古墳の副葬品

石室内に堆積した土砂の中から、鏡や大刀金具、多数の玉類などの副葬品や、漆塗木棺と、これにつけられた飾り金具や銅釘、熟年男性の人骨の一部が出土した。

 

透かし彫りが美しい「金銅装透金具」、丸いのは「金銅製円型装金具」また「六花形座金具」など、展示されている。

高松塚古墳の副葬品

銀装大刀の外装具のうち、冑金、露金物、留鋲、山形金物、石突が出土している。

冑金は、大刀の柄頭に装着する金具、露金物は、腕貫緒の先端につける金具、留鋲は、腕貫緒ととめる金具、石突は、鞘の先端につける金物。

しかし、刀身そのものは、盗掘のためか、残っていなかったようだ。

山形金物など

刀身は、盗掘にあったため、残っておらず

海獣葡萄鏡の説明文

不思議な文様のある鏡だなあとマジマジと見てしまった。

勝手な思い込みかもしれないけど、なんとなく西洋風な感じにも見える。

海獣葡萄鏡

ガラス製粟玉

「飛鳥美人」として有名な西壁女子群像

高松塚古墳には「飛鳥美人」として有名な壁画がある。

高松塚古墳壁画の世界から抜粋

石室内部の漆塗上に描かれていた壁画、天井部の星宿図、壁石に描かれた日月像、四神と人物像。

石槨構築後に切石の壁面に薄く塗られた漆喰の上に、金箔、銀箔を貼ったり、あるいは極彩色で描かれていた。

このような壁画古墳は、中国や高句麗、百済などにもみられるが、我が国の古墳で本格的な壁画を描いた例は、キトラ古墳と高松塚古墳の2例のみである。

実際に高松塚古墳に行ってみた

私は、飛鳥美人などの壁画は、飛鳥資料館でも、ここ高松塚古墳に隣接する「高松塚壁画館」でも、見学した。

「高松塚壁面館」の入場料は300円。

高松塚古墳が守られるならという思いもこめて、壁画館に入った。

石室が再現されていて、盗掘抗もあった。

高松塚古墳

飛鳥時代の当時、ここから見える景色は、どういう景色だったのでしょう

いまは観光名所になっちゃったけど、それなりに身分の高い人のお墓ですからね。

教科書でしか知らなかった高松塚古墳。

高松塚古墳の石室は、1度は見学してみることをおすすめします。