ねことメガネとアネモネと

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千円札の湿気

財布の中に、1万7千円分の千円札があった。

 

なんでここまで千円札が増えたのだろうと考えたけど、よくわからなかった。

ひとつだけ思い当たるのは、自動車税を千円札で支払えるにもかかわらず、わざわざ1万円を出してし払った。

 

1万円を持っていると、なぜか崩したい衝動にかられる。

 

ここずっと、コンビニなどでは両替を受け付けてくれないし、なんとなくの物は買いたくないしで、1万円札はいつまでも財布の中に残ってしまう。

 

財布から1万7千円分の千円札を取り出したら、なんだかお札がフヨフヨしていて湿っぽい。

 

全部確認してみると、これらの千円札は、みな湿気を吸っているようで、お札の威厳がなくなるほど、フヨフヨ柔らかい。

これでは可哀そうだなと思って、次の日、銀行のATMへ行って全額入金してきた。

 

私は普段あまり現金を持たない。

 

スーパーなどではクレジットカードで済ませているし、コンビニはiPhoneをかざしての支払い。

お札や小銭を使う機会はめっきり減った。

 

あと、この時期にある湿気も、現金を使わなくなった理由のひとつ。

お札がフヨフヨするのがイヤなのだ。

 

湿気の季節だなあと感じたのは、数日前に仕事場でお煎餅を食べていたとき。

 

ぽたぽた焼きを1袋開ける前に割り、それをボリボリ結構時間をかけて食べていた。

最後のふたかけらあたりを口に入れて噛んだとき、湿気のせいか、ぽたぽた焼きがふにゃりとなったのだ。

 

嫌いな湿気がもう来ているんだと残念ながら感じずにはいられなかった。